カントの「純粋理性批判」では、第一版と第二版で記述の変化が存在する。

「純粋理性批判」の第一版においては、
感性と悟性を媒介して表象を綜合する働きとして構想力を重要な位置に置いていた。
我々は純粋構想力を持っており、この構想力を介して直観と純粋統覚を一つに結合する、と考えていた。
また、心の三つの根源的能力があるとしており、それが感官(感覚)、構想力、統覚という三つの能力と位置付けた。

これに対して、約6年後の第二版では、
綜合を悟性(カントの感性と悟性)の働きとしてとらえることが強調され、
構想力による超越論的な綜合も、悟性の自発性に基づくものとして説明されるようになった。

これにより、第一版で独立性の高かった構想力の位置づけは後退したと解釈されることがある。

ハイデッガーは、第一版で見られた「構想力」の根源的な位置づけが、第二版で覆い隠されてしまった、と批判的に解釈した。

またヘーゲルも、カントにおける構想力の重要性を高く評価し、
感性と悟性の対立を統一する働きとして、自らの哲学の観点から捉え直した。

参考文献